CBDはカンナビジオールの略称で、不安や痛みに効きます。以上。

これでは、CBDについて本当の意味で理解したとは言えません。カンナビジオールは、大麻由来の天然成分で、自然由来の治療法として今大きな注目を浴びています。この記事では、CBDについての表面的なことは省きます。CBDとは一体何なのでしょうか。とにかく、「CBDとは何なのか」について、CBDが注目されるようになった経緯や現在分かっている研究結果などと共に、できるだけ噛み砕いて紹介します。

CBDについて全体を知りたい・本質を簡単に理解したい」方は、是非最後まで御覧ください。

まずは、あなたが持っている「麻」に対するイメージを取り払おう

CBDは「麻植物」全般に含まれる特有の成分ですが、現在手に入るCBDの多くは特に「大麻」から抽出されています。大麻といえば「マリファナ」という呼び名で知られ、日本では「危険な薬物」として取り締まられています。しかし、あなたが「マリファナ」に対して持つイメージは、大麻の数ある種類と側面の一部分にしか過ぎません。

大麻と人は、紀元前2900年頃からの長い付き合いがあり、かねてより治療薬や、食料、油、紙や布、建築資材などとして幅広く用いられてきました。この長い歴史で見れば、人間が「ドラッグ」として大麻を用い始めたのはごく最近のことです。さらには、より大きな陶酔作用を得るためにTHCの濃度が高い大麻の品種を人工的に生み出したのも最近のことです。

大麻の一部の品種では大きな精神作用を生む可能性があるため危険もありますが、あなたが「大麻」に対して持っている悪いイメージは非常に強調されているはずです。これには、大麻が違法となった奇妙な歴史が関わっています。1940年〜90年代にかけて米国で行われた「反マリファナ」のプロパガンダや、戦後の日本でGHQによって行われた「厳しい大麻規制と反大麻教育」がその原因です。

この治療薬の仕組みがだんだん明らかに

紀元前2900年に麻を「治療薬」として使っていた人は、麻が痛みを抑える仕組みなど知らなかったでしょうが、最近の研究によって、大麻が持つ秘密のカラクリがだいぶ明らかになってきました。そして、痛みやストレス・不安を治療する要因の一つは、大麻に含まれる「CBD」という成分によるものだと明らかになったのです。

そして、現段階でのCBDに対するほとんどの研究は非常に有望な結果を示しています。

CBDやその他の「麻の成分」の解析を進めていくと、麻には、特有の100種類を超える成分が含まれていることが発見されました。これらは「麻特有の成分」という意味そのままで「カンナビノイド」と呼ばれます。

そしてその後の研究で、不思議なことが発見されました。それは、どうやら人間の体内にも「カンナビノイド」に似た成分が存在していること。さらに、脳内で、自ら「カンナビノイド」を分泌しているというものです。

私達の体内で自ら生成されるこれらの成分は、麻由来の「カンナビノイド」に対して「内因性カンナビノイド」(または、「エンドカンナビノイド」)と名付けられました。

麻のカンナビノイドと内因性カンナビノイド

脳内で分泌される「内因性カンナビノイド」は、体の随所に張り巡らされている神経系の各所にある「カンナビノイド受容体」と結合することで、心身の状態に変化を与えます。

近年の研究によると、これらは、睡眠、食欲、痛み、免疫システムなど身体のさまざまな機能の調節に関与していることが分かってきました。そして、これらの身体調節システムは「内因性カンナビノイドシステム」(または「エンド・カンナビノイド・システム」)と名付けられました。

そして、大麻から得られるCBDやその他のカンナビノイドもまた、体内の「カンナビノイド受容体」と結びつくことで身体機能に影響を及ぼします。現在では「CB1受容体」「CB2受容体」の代表的な2種類のカンナビノイド受容体が分類されています。

CBDは「カンナビノイド受容体」と結びついて作用をもたらす

CB1」受容体は主に脳内に存在し、神経伝達物質の放出をコントロールすることで精神に作用を及ぼすことが分かっています。「CB2」受容体は免疫系の細胞に存在し、神経の異常な興奮を抑える方向に働くことが分かっています。

マリファナの主成分であるTHCは主にCB1受容体とCBDは主にCB2受容体と親和性が高いことが知られています。CBDは、CBD2受容体以外にも様々な受容体と相互作用し、我々の身体機能に変化を及ぼします

CBDが私達にもたらす作用と効果

CBDは、先程説明したように体内の「カンナビノイド受容体」やその他の様々な受容体と結びつくことで様々な作用・効果をもたらします。

  1. 痛みを和らげる
  2. 抗不安・抗うつ作用
  3. がん関連症状の緩和
  4. にきびを減らす
  5. 神経保護作用
  6. 心臓の健康に保つ

これらの効果は、前段で紹介したように、「内因性カンナビノイドシステム」(または「エンド・カンナビノイド・システム」)のシステムの一環として表れます。

CBDの副作用

CBDは、基本的に大きな副作用をもたらしません。しかし、研究によると、大量に継続的に摂取した場合に軽微な離脱症状が現れる可能性を示しています。

また、これはCBD単体での副作用ではありませんが、他のいくつかの薬品との飲み合わせによって、相互作用が生まれることで想定していなかった副作用を生む可能性が指摘されています。

CBDを摂取する方法

一般的なCBDの摂取方法として上げられるのが、「CBDオイル」(または舌下オイル)、CBDリキッド(または「ベイプ、Vape」とも)です。その他にもカプセルタイプ(サプリメント)のCBDがあります。

それぞれの摂取方法によってCBDが血中に取り込まれる割合(量)や、効果が現れるまでの時間、効果の持続時間が異なります。

まとめ

ここまで、「CBDとは何なのか?」について紹介してきました。CBDを完全に説明するためには多くの医療的な知見が必要であり、非常に難解かもしれません。しかし、最低限の仕組みを知っておくことで自分の身の安全を守り、損をするのを防ぐことができます。既にCBD製品の市場で見られている誇大広告やラベル詐称、「合法ドラッグ」などといった悪い売り方は今後も増えてくるでしょう。

CBDについての研究はまだ途中であるため、まだCBDの作用と安全性、潜在的な危険について断定的にお伝えできないことが残念です。この記事でCBDについて興味が深まったなら、今後もCBD業界やカンナビノイド業界のニュースに注目していただけたら幸いです。