近年人気が高まっているCBD(カンナビジオール)は、慢性的な痛みの緩和、不安、およびその他の多くの潜在的なメリットを持つと言われています。

CBDは、通販や現地の専門店や百貨店の一部でも購入できるようになっており、既にオイルやベイプリキッドなどを試した方も多いのではないでしょうか。

そこで気になるのが、以下のことです。

・CBDの効果が機能するまでどれくらい時間がかかるのか?
・CBDの効果はどれくらい続くのか?

揺るぎない自身を持ってこれらの質問に回答するためには、より多くの臨床実験が必要ではありますが、この記事では、現段階の調査結果に基づいた推定値をお伝えしていきます。

CBDが私達の身体に作用するのはなぜ?

CBDが私達の身体に作用を与えるのには、異なる多くのメカニズムが脳と相互作用していると考えられています。

その1つが内因性カンナビノイドシステム(ECS)であり、このシステムにCBDが入ると、体内および中枢神経系の様々なタンパク質と相互作用します。

例えば、CBDがECSに導入されると、痛みを調節する天然のカンナビノイド(体内で生成される)である「アナンダミド」の分解を抑制(阻害)することで、痛みの調節機能を助ける効果があると考えられます。

画像/NPO法人医療大麻を考える会 http://iryotaima.net/

CBDはまた、セロトニン受容体5-HT1Aやバニロイド受容体TRPV1など、ECSに直接関連しない他のタンパク質受容体とも相互作用します。

CBDの作用として広く認知されている抗炎症および疼痛緩和特性は、これらの経路の活性化に起因する可能性が示されています。

CBDと人体の関係はかなり複雑であり、これらを説明するよりも、CBDを摂取してから効果が機能するまでの時間や、効果が離れるまでの時間を理解する方が簡単でしょう。

しかしながら、この答えでさえ、CBDの摂取方法、品質、消費する人など、いくつかの要因に左右されることが分かっています。

摂取方法別、効果が出るまでの時間

摂取方法は、あなたがCBDの影響を感じるのにかかる時間を大きく左右します。これぞれの摂取方法で、CBDは様々な形で作用し、効果の開始時間に影響を及ぼします。

経口摂取:遅い・低効率

CBDを消費する最も一般的な方法は、数滴を口に直接投与することです。これは、CBDの利点を享受するための最も簡単な方法です。

しかし、CBDオイルなどを素早く飲み込むと、CBDは消化管を介して肝臓に送られます。そのうちの大部分は、血流に取り込まれる前に別の物質に分解されてしまいます。

研究によると、CBD化合物が肝臓で代謝されると、「初回通過効果」と呼ばれるものが発生し、肝臓の酵素がCBD濃度を低下させます。その後、残りが最終的に血流に送られ、全身に循環することが示されています。

これはオイルに限ったことではなく、CBD食品の摂取についても、同じことが言えます。例えば、CBDグミを摂取したり、お気に入りのレシピにCBDオイルを数滴加えたりするとします。この場合でも、同じ長時間のプロセスを経て、最終的に血流に取り込まれる総CBD量は低くなります。

CBDを経口摂取すると、効果が最終的に現れるまでに1〜2時間程度を要する場合があります。 

舌下:高速

CBD舌下オイルは、飲み込む前に舌の下に数滴のCBDを置いたまま保持することで、舌下から吸収できます。

この方法を使用することにより、CBDは口にある粘膜及び毛細血管から血中に直接吸収され、消化器系と肝臓をパスできます。

経口摂取と比較して、代謝の影響をスキップできるため、より迅速に、かつより多くのCBDを血中に取り込むことができます。

吸入:高速・高効率

CBDリキッドをベイプペンから吸入する方法は、体内に吸収される速度が早いため、CBDの効果的な摂取方法と見なされることがよくあります。

CBDを含んだ蒸気を吸うと、カンナビノイドは直接肺に送られ、そこで急速に血流に吸収され、体全体の循環に入ります。消費後3分以内にピーク濃度に達するため、使用後すぐに効果が感じられるでしょう。

外用:中速かつ限定的な効果

局所的・外用薬的な使い方のCBDは、皮膚に直接塗ることで、皮膚の表面から吸収されて、局所的なカンナビノイド受容体と相互作用します。

しかしながら、皮膚を通過して実際に吸収されるCBDは多くありません。また、CBDを局所的に使用すると、効果は約90分でピークに達すると考えられています。この投与方法は、部分的な慢性疼痛の改善のためによく使用されます。 

あなたの体質による効果の違い

CBDが体全体で機能するプロセスや、体から排出される方法も、人によって個人差が大きく、以下のいくつかの要因に依存します。

体重が重いと効果が出づらい?

体脂肪の量が、CBDが効果的であるために必要な量に影響すると考えられています。体重が重い人は、効果を感じるために、より多くのCBDを必要とします。

体重はまた、CBDがシステムに留まる時間にも影響します。体脂肪が多い場合、CBDは脂肪細胞に蓄えられ、CBDの効果が減少した後でも体内に留まることができます。

CBDは脂肪細胞に保持され、尿および排泄を介して体内から徐々に出ていきますが、CBDを効果的に機能させるには、体脂肪が適切であることが望ましいと考えられています。

代謝率でCBDの影響に大きな違い

個人の代謝率も、CBDがシステム内にとどまる時間の長さを左右します。

身体の代謝は、化合物を分解して別の物質に再合成するのにかかる時間を決定し、これは身体がカンナビノイドを処理して代謝するのにかかる時間に影響します。 

CBDが体内から抜け出すには72時間かかる?

CBDが動作するのにかかる時間を決定する要因について説明しましたが、CBDをシステムから取り出すのにかかる時間はどうでしょう?

繰り返しになりますが、それはカンナビノイドの有効性を決定する、前述の要因の多くに依存しています。

2007年の調査によると、 CBDは、喫煙後72時間まで検出することができました。また、CBDの効果は吸入直後に感じられる可能性があるため、この方法は即時の痛みの緩和を求めている人にとって魅力的と考えられています。

また別の研究では、ボランティアの被験者たちはTHC2.5mgとCBD1.35mgを含有した、大麻抽出物の軟ゼラチンカプセルが与えられました。その結果、摂取後6時間まで血液でCBDの検出が可能であることが示されています。

まとめ

ここまで、CBDの効果が機能するまでに必要な時間と、CBDが体内から排出されるまでにかかる時間とそれらの要因について、研究に基づく推定値をお伝えしてきました。

CBDが私たちに与えるとされている作用や効果については、その大部分が、さらなる追加の臨床実験を必要としています。

今後も、CBD研究の結果に目を光らせる必要があるでしょう。このサイトでは、そんなあなたの一助となれるような情報を発信して参ります。

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