今、世界的なブームとなり、日本でもその波が訪れようとしている「CBD(カンナビジオール)」
CBD製品には、舌下オイルやベイプリキッド、カプセルタイプなど、様々な種類が存在します。
これらの中からあなたに合ったタイプを選ぶにあたって、見落としがちな大事なポイントがあります。それは、CBDの生体利用効率(バイオアベイラビリティ)という考え方です。
生体利用効率(バイオアベイラビリティ)とは?

例えばCBD舌下オイルと、経口摂取のCBDサプリメントで100mgのCBDを摂取したとします。この時、それぞれの方法で、体内に吸収されて実際に利用されるCBDの割合は大きく異ります。
摂取したCBD量のうち「どのくらいが血流に入り生理活性を表すために用いられるか?」という値を示したものが、生体利用効率(バイオアベイラビリティ)です。これはまた、生物学的利用能(せいぶつがくてきりようのう)と訳されます。
生体利用効率は摂取方法で10倍の差がある!

舌下オイル、カプセル、ベイプ、グミ、ミネラルウォーター…。近年、様々なCBD食品やサプリメントが登場しています。
いずれかの方法で摂取したCBDは、残念ながらその全てが身体に吸収されるわけではありません。あらゆる方法でのバイオアベイラビリティを試験したいくつかの研究報告によると、摂取方法によって、最大10倍の差がある可能性があります。
適切な効果を得るためには、バイオアベイラビリティをあらかじめ把握した上で必要な摂取量を決める必要があります。
最も効率の良い摂取方法は?

現在、CBDを最も効率良く吸収するための直接的な方法は静脈内投与です。静脈から血流に直接投与できるため、定義上、バイオアベイラビリティは100%になります。
しかしながら、この方法は全く一般的ではなく簡単でもありません。針を刺さないでCBDを使用したい人のために、他の摂取方法で効率の良い方法を探してみましょう。
生体利用効率を試験した研究は複数ありますが、研究によって示されている数値にはかなりばらつきが生じています。CBD-LOHASが集計した結果は、以下の通りです。
参照リンク | 蒸気摂取 | 舌下投与 | 経口摂取 |
---|---|---|---|
Sourse1 | 34%~56% | 13%~35% | 6%~20% |
Sourse2 | 10%~60% | 〜20%-30% | 13%-19% |
Sourse3 | 34%~46% | 12%~35% | 4%~20% |
Sourse4 | 50〜70% | 15%-35% | ~6% |
推定値 | 30%~60% | 15%~35% | 6%~20% |
※海外の比較的権威のあるサイト4つが引用したデータを示し、その下に平均から見る推定値を表示しています。
複数の研究報告を見て言えることは、生体利用効率にばらつきが生じる可能性が大きいこと。そして、蒸気摂取、舌下投与、経口摂取の順に効率が良いことはほぼ間違いないでしょう。
また、各摂取方法によって異なるのは「利用効率」だけではありません。CBDを摂取してから血中に乗り全身をめぐるまでの速度にもかなりの差が生じることが示唆されています。
次項からは、各摂取方法の説明とバイオアベイラビリティ、及び吸収速度について紹介していきます。
経口摂取の生体利用効率

経口摂取には、CBDサプリメント、CBDパウダー(アイソレート)、グミやチョコレートなどの食品に添加されたCBDが当てはまります。飲料も同様です。
バイオアベイラビリティ | 約6~20%(効率は低い) |
血中で最大濃度になるまでにかかる時間 | 90分~3時間程度 |
吸収までのルート
一般的に口から摂取した食べ物は、消化管内で消化されて吸収されます。その後血流に入り、全身をめぐる前に肝臓を通過しますが、肝臓にはさまざまな代謝酵素が含まれており、有害な物質を分解して全身の血管に入る前に無毒にするための作用があります。
CBDも同様に腸などを通して吸収されたのちに肝臓を通過しますが、そこでシトクロムP450という消化酵素の作用により、生理活性のほとんどない物質に替えられてしまいます。また、CBDは疎水性で水に溶けにくく、消化管での吸収率も高くありません。
効率を上げるには
あなたが周囲の目を気にしないのであれば、この後紹介する舌下オイルやベイプリキッドの蒸気摂取に切り替えてみるがおすすめです。また、経口摂取にこだわる場合には、脂肪分の多い食品と混ぜて摂取することで吸収率を上げられる可能性があります。
一部には”ナノテクノロジー”を用いた「吸収率の良いCBD粉末」を販売しているメーカーがありますが、本当の効果については十分な研究結果が示されていないため、うかつに信用することは損に繋がる可能性があります。
舌下投与の生体利用効率

バイオアベイラビリティ | 約15~35%(中程度の効率) |
血中で最大濃度になるまでにかかる時間 | 20分~40分程度 |
吸収までのルート
舌下投与は、CBDオイルを舌の裏に数滴垂らし、90秒程度保持します。そうすることで、舌下の毛細血管及び口腔粘膜から直接CBDを吸収します。経口摂取と違って消化器官や肝臓を介さないため、生体利用効率は高くなります。実際に、CBDオイルを販売するメーカーの多くはこの摂取方法を推奨しています。
効率を上げるには
テルペンと一緒にCBDを摂取することで、相互作用によってCBDの吸収率を向上できる可能性があります。もともと大麻には豊富なテルペンが含まれており、これらと一緒にCBDを摂取することで側近効果が生まれ、バイオアベイラビリティの向上が期待できます。
蒸気摂取の生体利用効率

バイオアベイラビリティ | 約30~60%(かなり高効率) |
血中で最大濃度になるまでにかかる時間 | 2分~5分程度 |
吸収までのルート
近年最もトレンドのCBD摂取方法の一つが、気化したCBDを吸引する方法です。これは電子タバコ(ベイプ)の仕組みを応用したもので、肺の毛細血管より直接CBDを血中に取り込むことができます。そのため、生体利用効率は舌下投与よりもさらに高いとされています。
吸収速度も早く、我々が試すことのできる簡単な方法としては、最も効率的なCBDの摂取方法かもしれません。
効率を上げるには
蒸気摂取でのバイオアベイラビリティは最大60%程度とされていますが、このうち呼気によって損なわれてしまう部分が存在します。このロスを抑えるために、①軽く息を吐いてから②ゆっくりと蒸気を吸い込み③ある程度吸引したら息を止め3秒程度待つ④ゆっくりと吐き出す の方法を行うことで効率を最大限保つことができます。
まとめ
ここまで、CBDの摂取方法による吸収効率の関係について説明してきましたがいかがでしたか?必要量のCBDを正しく判断するためには、生体利用効率を知っておくことが大切です。自分に合った適切な量のCBDを少しずつ試しながら見つけていくことで、安全に、かつ効率的に効果を実感し、CBDの本当の価値に気づくことにも繋がるでしょう。
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