これは単純な答え。

「正しい」CBD摂取量(投与量)はありません。

消費者の最適な用量は、体型やCBDに対する耐性、消費者の痛みや不快感のレベルなど、いくつかの要因に依存します。

CBDは医薬品ではないため、用法・用量が細かく設定されているようなことはありません。しかしながら、むやみに量を摂取しても右肩上がりに効果を実感できる訳ではないことが、いくつかの研究から分かってきています。

この記事では、適切なCBD摂取量(投与量)を決定する際に考慮すべき重要なポイントをすべて検討します。また、症状に応じた目安となる投与量と、大量にCBDを摂取する人々の健康上の懸念についてお伝えします。

注意:重大な症状の方がCBDを初めて使用する場合は、CBDを含む製品を使用する前に医師にご相談ください。

CBDとは何ですか?

カンナビジオール(CBD)は、カンナビノイドの一種で、麻植物に含まれる天然の化合物です。人間や他の哺乳類の内在性カンナビノイドの生物学的システムと相互作用します。内在性カンナビノイドシステムは、体内の恒常性、または平衡を促進するために、気分や睡眠、食欲、および痛みの感覚などの様々な認知および生理学的プロセスを調節します。CBDやその他のカンナビノイドが体内に導入されると、体内の調節と恒常性を助け、痛みの緩和、睡眠の質の向上、食欲の増加、ストレスの軽減に役立ちます。その結果、CBDは次の状態に関連する症状を緩和する場合があります。

CBDが緩和を助ける症状例
  • 不眠症およびその他の睡眠障害
  • てんかん
  • 吐き気
  • 不安とストレス
  • 気分障害
  • 慢性の痛み
  • がんやHIVなど、免疫系に影響を与える状態

よく誤解されがちなのが、CBDが麻由来の成分であるため、人々が「高揚感」いわゆる「ハイになる」や「キマる」という状態になるということです。これは事実と全く異なります。CBDとは別のカンナビノイドであるテトラヒドロカンナビノール(THC)は、人々がマリファナを吸ったりするときに発生する精神活性に関与しています。しかし、CBDは同じ効果を生み出しません。

さらに、CBD製品は、THCの濃度が低くCBDの濃度が高い麻の品種である「ヘンプ」から精製されます。その結果、ほぼ全てのCBD製品にはTHCは含まれていません。

このように、CBD製品は精神作用を表す成分を生成しませんが、推奨された用量が提示されています。次に、投与量を選択する際に考慮すべきいくつかの点を見ていきます。

投与量に関して考慮すべき重要なポイント

CBDの適切な投与量を議論するためには、最低限以下の項目について考慮する必要があります。

CBD濃度

特定のCBD製品に含まれるCBDの合計量を指します。一般的に含有量はミリグラム(mg)で示されています。これは、CBD製品に示されている一回あたりの標準投与量とは異なります。例えば、CBD1200mgのオイルのボトル量が30ミリリットル(ml)で、一回の標準量が1mlだったとします。この時の一回あたりのCBD摂取量は40mgということになります。

また、ややこしいことにCBD濃度は割合(%)で示されることもあります。例えば、CBDが60%と表示されており、全体の量が500mgのCBD製品があった場合、その製品全体に含まれるCBD量の合計は約300mgということになります。

体重

人の体重は、CBDが身体にどの程度の影響を与えるか、またはどれだけの影響を与えるかに大きく関係してきます。一般的に、体重が重い人はCBDの効果を体験するためにより多い量を必要とします。逆に、軽い人はより少ない量で同じ効果を感じるかもしれません。

望む効果

多くの場合、最適な用量は使用者が体験している痛みや不快感の症状レベルに依存します。慢性的な痛みや重度の不安を抱えている人は症状を緩和するために比較的多くの量が必要な場合がありますが、軽度の状態の人は効果がそれほど顕著ではない、低用量を好むことがあります。

CBD耐性

CBDの消費者は、時間が経つにつれて耐性を発現する場合があります。これにより、同じ投与量で効果が低下する可能性があります。望ましい効果を達成するためには、より摂取量を増やす必要がある場合があります。

これらの基準を把握することで、初めて私たち消費者は適切な用量を決定することができるようになるはずです。

症状に合わせた適切な摂取量(目安)

CBDに関するノウハウを提供している「大麻ユニバーシティ」によると、症状に合わせて以下のCBD摂取量を提唱しています。表中ではTHCの摂取も表記されていますが、国内ではTHCの入手は困難なため、CBD単体での使用となります。

症状に合わせたカンナビノイド摂取量の目安

がん患者の食欲を増やす:一日あたり2.5mgのTHCと1mgのCBD(又はTHCだけで)6週間摂取する

慢性疼痛を治療する:1日あたり2.5〜20mgのCBDを25日間摂取する

てんかんを治療する:1日あたり200~300mgのCBDを4、5ヶ月摂取し続ける

ハンチントン病に関連した運動障害を治療する:体重1kgあたり10mgのCBDを毎日、6週間投与する

睡眠障害を治療する:一日40〜160mgのCBDを投与する

多発性硬化症の症状を治療する:THCとCBD組み合わせて、1日2.5〜120mgを2〜15週間、毎日摂取する

統合失調症を治療する:1日当たり40~1280mgのCBDを4週間、毎日摂取する

緑内障を治療する:20〜40mgのCBD摂取する。40mgを超える量は眼圧を上昇させてしまう可能性がある(THCも緑内障に効果的)

この摂取量の目安は、CBDオイルを舌下に留め摂取した時の摂取効率を考慮されています。経口摂取や蒸気による摂取の場合は体内に実際に吸収される割合が異なり、目安量は変動します。効果の実感を感じたら量を減らすなどの調整も必要です。

CBDを過剰に摂取したときの影響は?

CBDは非毒性と考えられており、科学物質には副作用がほとんどありません。副作用が発生した場合でも、非常に軽微なもので、通常は驚異にさらされるようなことはありません。

さらに、国立衛生研究所(NIH)の支部である国立癌研究所による最近の報告では、CBDの過剰摂取は事実上不可能であり、THCとマリファナについても同じことが言えます。報告書によると:「オピオイド受容体とは異なり、カンナビノイド受容体は呼吸を制御する脳幹領域に位置していないため、大麻とカンナビノイドによる致命的な過剰摂取は発生しません。」とのこと。

このレポートによれば、カンナビノイドは処方薬を含む他の薬物よりもはるかに中毒性が低いと考えられていますが、CBDの消費者は時間が経つにつれて耐性が発現してきます。CBD離脱症状には不眠症、のぼせ、吐き気が含まれる場合がありますが、これらの症状は他の中毒性物質からの離脱症状と比較すると軽度なものです。

そうは言っても、CBD製品市場は比較的新しく、長期的な健康への影響に対する研究はまだ未完成の状態です。消費者は、第三者の調査期間を通して安全性が確認された商品のみを選択して購入し使用する必要があることに注意してください。通常の場合、これらのテスト結果はメーカーのWebサイトで公開しているはずです。

まとめ

CBDの消費者は、サードパーティー製のテスト結果や製品に含まれる詳しい成分、および製造方法を正しく公表しているブランドからのみ製品を使用することを心がけることで、自分自信の身を守ることができます。基本的に顕著な副作用が無いCBDですが、効果の体感に合わせて摂取量を調整し、少しずつ自分にあった用量を見つけていくことが重要です。そうすることで、次第にCBDやカンナビノイドに対する見方や興味が広がっていくでしょう。