Charlotte’s Webはどういう意味ですか?

Charlotte’s Webと名付けられた大麻株

Charlotte’s Web(シャーロットウェブ)は、米国コロラド州にある大麻と麻の健康製品のメーカーであるStanley Brothers Social Enterprises社(Stanley Brothers社とも呼ばれる)が所有するブランドCW Hemp Companyが製造するカンナビジオール(CBD)オイルの登録商標です。

日本語では「シャーロットのおくりもの」とも呼ばれます。同じような名前のファンタジー小説があったような気がしますが、今回紹介するのはまた別の物語。

Charlotte’s Web(シャーロットウェブ)は産業用大麻とマリファナの別の系統を交配することによって作成された品種であり、THCが少なく、CBDを多く含むのが大きな特徴です。この品種に含まれるTHC濃度は産業用ヘンプと同じ0.3%以下であり、人に精神作用を与えることはほとんどありません。

Charlotte’s Webの名前の由来は?

簡単にいうと

生後3ヶ月から「てんかん」による激しい発作に苦しんでいたシャーロットちゃんは、全ての治療法を試し万策尽きたかと思われていた。その時、父親は「大麻がてんかんを治した」という、別の子供の話を知る―

困難の末に大麻オイルを入手しシャーロットに与えてから一週間、それまで300回の発作が、ただの一度も起こらなかった…これは奇跡か、本物か。

一方その頃コロラド州のある兄弟は、THCが少なくCBDが多い大麻の品種の育成に成功。シャーロットの両親はこの兄弟に協力を求め、話を打ち明ける。

兄弟の作った大麻はすぐに効果を表し、シャーロットはみるみる回復していった。彼らはシャーロットを讃え、この株を「シャーロットのおくりもの」「シャーロットウェブ」と名付けたのだった―

シャーロットウェブを生み出した兄弟と、麻を通して救われる小さな女の子の旅物語

あるところに、シャーロットという名前の少女がいました。彼女は、非常に稀な小児てんかんの一種であるDravet(ドラベ)症候群に苦しんでいました。

ここから、彼女の物語は始まります。

Charlotte Figiが最初の発作を起こしたのは、彼女が生まれてからわずか3か月の時でした。発作は30分間で収まったものの、シャーロットは時間が経つにつれて発作の頻度と重症度が日に日に増加し、遂には1日に複数回痙攣を伴う激しい発作を起こし、それぞれが最大4時間も続くようになりました。

複雑なてんかんの一種であるドラベ症候群を患うCharlotte Figiさん
複雑なてんかんの一種であるドラベ症候群を患うCharlotte Figiさん

わずか2歳で、シャーロットは重度の認知機能低下と自閉症と見られる行動の兆候を示し始めました。彼女はしばしば癇癪(かんしゃく)を起こし、自分自身を傷つけ、周りの人々と目を合わせたがりません。3歳までに、シャーロットは車椅子に縛られ、話しをやめ、食事をすることができなくなりました。

彼女と両親は何度も何度も医師の診察を受け、最終的に、非常に稀な衰弱性のてんかんであるドラベ症候群であると診断されました。

シャーロットの両親であるペイジとマットは、今でこそ麻に秘められた可能性についてよく理解しています。しかし、当時彼らは、それが実際どんなものなのか、それをどのように扱うのかも知りませんでした。

シャーロットは副作用のある7種類の協力な薬を服用していましたが、状態はますます悪化するばかりでした。5歳になる頃には、シャーロットは1週間に最大300回もの激しい発作に苦しむようになっていました。

状態がひどく悪化したため、医師と両親は、彼女の体に休息と回復の機会を与えるため、医学的に誘発された昏睡状態に彼女を置くことを決めました。この際、両親は、もし何かがうまくいかなかった場合には蘇生しないという書面に署名することさえしました。

そして、シャーロットの医師は両親に告げました。「彼女のためにできることはこれ以上ない。」

この辺りから、軍人であるシャーロットの父は、派遣された先で唯一できるネットでの情報収集を始め、子供の治療に大麻を使用した成功事例や証言について調べはじめました。

その中に、偶然見つけた1つの物語があります。それはドラベ症候群の別の少年の映像でした。映像の中で、少年の発作が大麻の使用によって軽減したと証言していたのです。

実は、米国ではほんの数十年前まで、大麻は医薬品として日常的に用いられていました。「カンナビス」とも呼ばれ、医者が処方し、薬局で大麻が売られていました。それが一気に変わったのは1930年です。初の米国麻薬取締局長アスリンガーは、当時米国と関係が悪化していたメキシコから多く輸入されていた大麻を目の敵にし、急激に大麻を取り締まるようになりました。

彼はマスコミを使って大麻を恐ろしいものだと国民に流布し、反マリファナを訴えました。当時、大麻は「吸うと気が狂ったり白人女性を強姦する」などと言われていました。また、映画「リーファー・マッドネス」では、大麻の常習者を無能で狂った人だと描きました。その結果、ずいぶん時が経っていた当時でもまだ大麻を怖がる人が多かったのです。

シャーロットの家族も、始めは同じように、大麻に対して疑念や恐怖心を抱いていたと言います。しかし、医師がすべての医療措置を使い果たしたことを明らかにしたので、もう何も失うことはないと、最後の望みを賭けて大麻を試す決断をしました。

しかし、彼女の両親はすぐにその行為の困難さを思い知ります。大麻に対する嫌悪感が未だ根付いていた米国では、大麻を入手することさえ困難な状況だったのです。万が一入手できたとしてもTHCが多く含まれる株が大半であり、子供に使用するのは本人にも、また社会的にも大きなリスクを伴いました。

シャーロットは絶え間なく襲う発作によって、死にも繋がりかねない状況でした。もし、これがあなたの娘だったらどうしたでしょうか?

最終的に両親は、当時希少だった、CBDを多く含む大麻を探し、ようやっととあるディスペンサリーで少量を手に入れることができました。店主は、THCをほとんど含まないその大麻が売れたことに驚いたと言います。

彼らはその大麻から抽出したオイルを入手し、彼女の舌下に垂らしました。すると驚くべきことに、ほぼ即時に変化が表れたのでした。週300回起きていた発作が、試して最初の1週間、ただの一回も起きなかったというのです。両親は驚き「効いた」と確信しました。

「シャーロットの脳が何年ぶりかでつながりを作っているのが、文字通り見えるんだ。これまで壊れていた部分の脳を作っているみたいだよ。」彼女の父は言いました。

その最初の投与後、彼女の両親はシャーロットの明らかな容態の変化をさらに感じ、突然現れた明るい光である大麻の可能性に夢中になりました。そして、それまで困難だった長期的な大麻油の供給ができる誰かを探し始めました。シャーロットの両親は、大規模な医療用大麻ディスペンサリーである「スタンレー・ブラザーズ」に連絡して、彼らが助けになってくれることを信じ、シャーロットの話を打ち明けることにしました。

スタンレー兄弟は、THCが低くCBDレベルの高い大麻の品種を生み出しました。この株は現在もてんかんの治療に使用されています。

スタンレー・ブラザーズはコロラド州の医療用大麻の栽培者およびディスペンサーです。彼らは、医療用マリファナのハイブリッド株(産業用大麻と低THC大麻の混合)を作成しました。これは、カンナビジオール(CBD)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の比率を30:1程度に保っているユニークな品種です。

THCが低くCBDの含有量が高いため、「ヒッピーの失望」と、ばかにされて呼ばれることもありましたが、薬効成分を持ちながら、他の大麻のような精神活性効果を持たないこの株は、シャーロットなどの子供での使用に最適でした。

シャーロットの両親がこの新しいハイブリッド株をシャーロットに与えてから、彼らはすぐに効果を確信しました。この品種はこの小さな女の子の衰弱性発作を止めるのに非常にうまく機能したので、スタンレー・ブラザーズは彼女を称え、この株の名を「シャーロットのウェブ」に変えることにしました。

現在、シャーロット自身は健康で普通の生活を送っています。彼女の発作は月に2、3回に減り、自ら食べ、歩き、話すことがまたできるようになりました。

彼らの物語は国際的なニュースとなり、さらに多くのことを知りたい、そしてCharlotte’s Webが子供たちにとって有効な治療法であるかどうかを知りたいと思っている両親から、多くの質問が届き始めました。2013年にはCNNにおけるドキュメンタリーも放送されています。

シャーロットウェブや同様のCBDオイルに助けられた子供たちの物語はそれ以来増え続けており、CBDがさまざまな病気の効果的な治療法として成功していることを証明しています。

そして、シャーロットの物語は語り継がれるのです。