CBDは、軟膏として筋肉に塗り込んだり、経口摂取したりすると炎症を軽減します。

米国など海外を中心に人気が広まっているCBD(カンナビジオール)は、私達が健やかな生活を送るために役立つ多くの効果が明らかになっています。そんな中で、「筋肉痛を治す」「筋トレの効率を上げる」「体力を回復する」など、様々なトレーニングに対する効果も囁かれています。それらの効果の一部は正しいですが、一部は間違っています。

この記事では、CBDと筋肉、トレーニングにおけるCBDの効果を、体験談からではなく科学的な観点から説明します。あなたが筋トレにCBDを活用するための参考になれば幸いです。

そもそもCBDとは

CBD(カンナビジオール)は、に含まれるの成分の1つです。近年このCBDが、私達の健康に役立つ様々な可能性を持っていることが明らかになりました。米国を中心にCBDの研究が進んでおり、抗ストレス、抗炎症、抗酸化、睡眠障害や鬱の治療、癲癇(てんかん)や多発性硬化症などの神経障害の治療や癌(がん)関連症状の緩和などの効能が示されています。

CBDは麻由来、つまり植物由来の成分であり、他の強力な医薬品に見られるような大きな副作用を示しません(※)。自然的なアプローチによる治療を求める患者は多く、それらの人々の多くが治療の選択肢にCBDを加えています。

(※長期的または過剰に摂取した場合、軽微な副作用を示す可能性が示唆されています。詳しくはこちら。)

近年では、重度の症状を抱える人だけでなく一般的にも使用されるようになりました。例えば、日々のストレスやイライラの軽減、禁煙のサポートやリラックスしたい人、睡眠の質を向上させるためにCBDが用いられています。そして、はじめにもお伝えしたとおり一部のトレーニーやスポーツ選手などもCBDを愛用しています。

その理由はなんでしょう?ここからは、CBDが筋トレに与える影響の、元になる部分にフォーカスします。

CBDは、軟膏として筋肉に塗り込んだり、経口摂取したりすると炎症を軽減します。

Frontiers in Neurologyに発表された132の元の研究では、CBDは実際に体の炎症を軽減し、多発性硬化症の患者の痛みと可動性の改善に役立つことが示されています。2018年の研究の総評では、CBDの効果について「それは抗炎症、抗酸化、制吐、抗精神病、および神経保護です」と、このレビュー研究の著者は書いています。簡単にいうと「CBDを軟膏として筋肉に擦り付けたり、経口摂取すると炎症を軽減」します。

しかし、CBDが疑いなく炎症を軽減し、ひいては筋肉痛を軽減すると断定するにはまだ早いかもしれません。実証データがまだ不足しているからです。CBDがトレーニングや筋肉痛、その回復に与える効果として、科学的な根拠を元に現段階で言えることは以上のことに尽きるでしょう。

「ワークアウト後の回復時間を半分に削減する」
「信じられないくらい体のダメージが引く」
「筋トレの効果を倍増させる」

上記のような「CBD製品を売るための謳い文句」は誇張して書かれたものであり、実際にこれらの効果が実証されているわけではありません。個人の感じ方は様々なので、ネット上の記事をそのまま鵜呑みにするのは危険です。

筋トレに最大限CBDを活用するための提案

CBDを筋トレに活用するためにはどうしたら良いでしょうか?

CBDの活用方法は大きく分けて2つのアプローチがあり、皮膚から(筋肉の外から)のアプローチと、CBDを服用することによる体内からのアプローチがあります。

筋肉の外からのアプローチ

軟膏としてCBDバーム(クリーム)を、皮膚の上から筋肉や関節に塗り込みマッサージする方法です。

CBDが皮膚から浸透して血管に取り込まれることで体内の内因性カンナビノイド受容体に働きかけ、炎症を抑え、炎症による痛みの軽減を助けます。しかしながら、皮膚を通して実際に血中に取り込まれるCBDの量がさほど多くないことに注意してください。

体内からのアプローチ

もう一つのアプローチは、経口摂取などを用いて直接体内にCBDを取り込む方法です。

いずれかの方法で取り込まれたCBDが体内の血管を通して内因性カンナビノイドシステムに働きかけることで、抗炎症、抗ストレス、その他CBDの多くの作用によって筋肉の回復を助けるでしょう。

CBDの摂取方法
  • 経口摂取:CBDの粉末(アイソレート)やカプセルを水などと一緒に飲み込みます
  • 舌下投与:CBDオイルを舌の下にある毛細血管からCBDを取り込みます
  • 蒸気吸引:濃縮したCBDリキッドを熱で気化させ、電子タバコの要領で吸い込みます。

それぞれの方法ではCBDの吸収率が異なるほか、摂取の難易度も違います。摂取方法の違いや生体利用効率についてはこちらの記事もご覧下さい。

筋トレやスポーツのトレーニング効率をどれだけ上げられるかは、CBDを活用するあなた次第です。正しいCBDの効果や作用を認識することで、自ずとあなたに合ったCBDの活用方法が見えてくるのではないでしょうか。最後に、あなたがCBDを筋トレに使用して効果を実感した経験がありましたら、是非コメントで教えて下さい。