近年いくつもの研究によって、CBDが疼痛や炎症、その他様々な健康状態に関連する不快感を軽減することが明らかになっています。実際に、一部の慢性疼痛患者は、症状を計画的に抑えるためにCBDオイルなどのCBDを含む製品を使用しています。

この記事では、CBDが痛みを軽減する事に関する潜在的な利点についてさらに詳しくお伝えします。

慢性疼痛を緩和するCBD

人間の体内には、ECS(エンドカンナビノイドシステム、または内因性カンナビノイドシステム)と呼ばれる細胞の伝達システムが存在しています。

ECSの受容体は信号を受け取ることで細胞を活性化させ、食欲、痛み、免疫調整、感情制御、運動機能、発達と老化、神経保護、認知と記憶などの機能をもち、細胞同士のコミュニケーション活動を支えています。

研究によると、CBDがこのエンドカンナビノイド受容体と相互作用を及ぼし、システムの活性化に有効であることがわかりました。(*1)

活性化されたECS(エンドカンナビノイドシステム)によって、痛みを緩和する効果や抗炎症効果が生み出されます。これが、CBDが慢性疼痛を緩和する一連のメカニズムです。

がん治療の痛みのためのCBD

一部のがん患者にとっても、CBDは魅力的なオプションとして用いられています。

マウスを用いた研究(*2)では、CBDが癌性腫瘍の縮小をもたらす可能性を示していますが、人間にも確かに効果があると発表するためには、さらにもう少しの研究が必要です。

さらに、米国立がん研究所(NCI)によると、CBDは化学療法による副作用を減らすために有効な選択肢であるとして、以下の症状を緩和すると指摘しています。

・疼痛
・嘔吐
・食欲不振

関節炎の痛みを緩和するCBD

2016年、関節炎を持つラットを用いて、CBDと関節痛の緩和の関連を調べる研究が行われました。この研究では、それぞれのラットに、1日あたり0.6、3.1、6.2、または62.3ミリグラム(mg)のCBDを、4日間に渡り投与しました。(*3)

その結果、0.6mgと3.1mgの少量のCBDを投与されたラットの改善は見られませんでしたが、6.2mgまたは62.3mg/日の投与を受けたラットについて、痛みと腫れを軽減を確認しました。62.3 mg /日を受けたラットは、6.2 mg /日を受けたラットと同様の結果を示し、大幅に多量を摂取しても、効果に違いはありませんでした。

この研究結果は、CBDの抗炎症および鎮痛効果が、関節炎の人を潜在的に助ける可能性を示唆しています。その用量や詳しい効果については今後の解明が待たれます。

片頭痛の痛みを緩和するCBD

CBDと片頭痛の関連を示す研究はまだ僅かで、今後の研究によって解き明かされる部分もまだ多いです。ただし、2017年の研究によると、CBDとTHCが片頭痛のある人の急性疼痛を軽減し、激しい痛みを軽減できることを示しています。(*4)

この研究は二段階に行われ、投与量での変化と、THCとの組み合わせが試験されましたが、どちらの結果においてもCBD(もしくはCBDとTHCの組み合わせ)による、片頭痛に伴う急性疼痛と発作頻度の減少を示しました。

CBDのその他の効果・メリットは?

CBDには、痛みを抑える作用の他にも、様々な健康に関する不調を改善する働きが確認されています。

CBDの副作用はありませんか?

CBDは、ユーザーに重大なリスクをもたらさない、安全な成分であるとされていますが、使用者によっては軽微な副作用が引き起こされる可能性があります。

また、CBDを治療に使う場合は、処方箋や特定の市販薬、ダイエットサプリメントとの飲み合わせも検討するべきであり、重大な症状をお持ちの方が初めてCBD製品を摂取する場合は、事前に医師に相談する必要があります。

まとめ

CBDは、体内の様々な機能を調整するシステム、ECS:(人間がもともと持っている、恒常性を保つ働きをするシステム)の受容体を活性化させることで痛みや炎症を抑える効果があります。

そして、以下の痛みを抑制する可能性があります。
・慢性疼痛
・がん治療に伴う痛みと副作用
・関節炎に伴う痛み
・片頭痛

CBDにはその他にも様々な健康上のメリットが確認されています。それらの多くはまだ研究段階で、今後さらなる、人での研究をしていく必要がありますが、新しいCBDの治療用途が発見されていくことは明白です。CBDに対する正しい知識を学び、痛みを計画的に管理できるようになることを望みます。