麻植物は古来より、紐や衣類、紙、油、食料や建築資材などの資源として重要な役割を果たしてきました。考古学的な証拠によると、紀元前8,000年から我々の祖先が麻を使用していたことを示唆しています。また、麻は人間が最も早い時期から栽培していた植物の一つとも言われています。

麻にも複数の品種がありますが、麻の中でもドラッグ的な作用(向精神作用)が少なく、産業用に活用される大麻を「ヘンプ」と呼びます。ヘンプは、その医療効果と繊維の生成で有名ですが、一部の専門家はヘンプの栽培がさまざまな方法で環境汚染を減らすのに役立つと話しています。

麻の根は土壌から重金属を除去するのに役立ち、そのため土壌の再生と除​​染に役立ちます。したがって、その栽培は環境の再生に役立ち、さらに土壌の洗浄にも最適です。

ヘンプの繊維を使用すると、スチール  よりも10倍強力で、スチールよりも6倍効率的な、補修および曲げが可能なスチール代替品を製造できます 。スチールの代わりに麻を使用することで、大気や水質汚染、廃棄物、エネルギー使用量など、鉄鋼生産の悪影響を減らせる可能性があります。

このように、麻は地球環境の保全と生産性の改善に役立つだけでなく、環境の前進を促し、化石燃料への依存を減らすのにも役立つと考えられています。

アメリカのヘンプ協会によると、ヘンプを使用して以下の2種類の燃料を生産できるといいます。

  • バイオディーゼル:圧縮した麻の種子から採れる油から生成可能
  • エタノール/メタノール:発酵した大麻の茎から生成可能

2015年に公開された研究では、人間によって毎年150億本の木が伐採され続けており、人類の文明が発達して以来、木の数は46%減少したと推定されています。

麻の栽培は、二酸化炭素を酸素に変換するという点で木よりもさらに効率的だといいます。面積比で、森林の約四分の一の面積の麻で同じ量の酸素を生成するという専門家もいるほどです。

これらの研究はまだ十分ではありませんが、もしかすると近い将来、人間は地球を救うために麻を積極的に栽培するようになるのかもしれませんね。