近年、先進国カナダの嗜好用大麻の解禁や、アメリカの多くの州でも大麻解禁のムーブメントが起きているなど、話題に事欠かないカンナビス業界。

2020年の現在、医療大麻および嗜好用大麻が合法な国はどれくらいあるのでしょうか?また、法律上は禁止しながら一部の使用を認めたり非犯罪化している国についてもまとめていきます。

医療用大麻が合法な国

医療大麻の合法化は、世界的な流れであり、ほぼ全ての地域で議論が進んでいます。医療用大麻を合法とする国・地域の数は、年々増え続けていますが、日本ではさほど前向きな議論は行われていません。

医療大麻と嗜好用大麻の違いについては、以下の記事をご覧ください。

アメリカ(うち33州)
イスラエル(1973年〜)
イタリア(2006年〜)
フィンランド(2008年〜)
スイス(2011年〜)
スロベニア(2013年〜)
プエルトリコ(2015年〜)
クロアチア(2015年〜)
ルーマニア(2015年〜)
アルゼンチン(2016年〜)
オーストラリア(2016年〜)
マケドニア(2016年〜)
ニュージーランド(2016年〜)
ギリシャ(2017年〜)
ポーランド(2017年〜)
ドイツ(2017年〜)
ペルー(2017年〜)
ニュージーランド(2018年〜)
イギリス(2018年〜)
韓国(2018年〜)
フィリピン(2019年〜)
タイ(2019年〜)
キプロス(2019年)

嗜好用大麻が合法な

大麻は他のドラッグと比べて害が小さいと言われています。一部では大麻を「ソフトドラッグ」と呼び、その他の危険な薬物を「ハードドラッグ」とし、分けて考えている国があるのをご存知でしょうか。

実際のところ、厳密に全てのドラッグを厳しく取り締まるのは難しく、警察の負担増大を招く恐れがあります。また、規制を強化することで犯罪集団によるグレーなマーケットへ資金が流入する恐れがあります。

そんな経緯で、比較的害が少ないとされる大麻の規制を緩和する国も増えてきました。全国的に”合法”としている国は以下の3ヶ国と少ないですが、2018年に大国カナダがこれに加わったことで、世界の議論の状況は一変しつつあります。

最近では、ベルギー、ドイツ、フランスに囲まれたヨーロッパの小国であり、20年以上にわたって一人あたりGDP(国内総生産)世界一を誇るルクセンブルクで嗜好用大麻が解禁されました。

ウルグアイ(2013年〜)
カナダ(2018年〜)
ルクセンブルク(2019年〜)

制限付きで合法・または非犯罪の国

法律上では大麻を禁止しつつも、管理された少量の大麻を一部開放したり、大麻を使用しても犯罪には問われない「非犯罪化」という対応をしている国も増えています。

特にオランダは「ドラッグ先進国」と言われており、これまで様々な薬物に対する政策が行われてきました。それらのこれまでのデータを見ても、ゆるやかに規制する現在の方法がベターだと判断しているようです。

アメリカ(10州とワシントンD.C)
オランダ(1979年〜/少量のみOK)
デンマーク(特別自治区「クリスチニア」のみ規制対象外)
スペイン(2006年〜/少量の個人使用または大麻クラブでのみOK)
チェコ(2010年〜/少量の個人使用のみOK)
コロンビア(2016年〜)
ドイツ(1992年〜/少量のみOK)
ポルトガル(2001年〜/非犯罪化)
南アフリカ(2018年〜/個人使用のみOK)
ブラジル(2006年〜/個人使用・少量のみOK)
ジャマイカ(2015年〜/少量のみOK)
メキシコ(2009年〜/非犯罪化)
インド(祭事や伝統として大麻文化が定着/一部の州では正式に合法)
フランス(2008年〜/軽犯罪化)
チリ(2015年〜/非犯罪化)

大麻の今後はどうなる?

現在も多くの地域で大麻の規制緩和に対する議論が続いており、世界的な流れは「大麻の合法化」へ動いていくことが予想されています。

今後も合法化の流れは拡大する

オランダなど大麻先進国のデータを見ると、嗜好用大麻を合法化することでドラッグ使用者数に極端な変化はありませんでした。また、大麻を禁止している諸外国と比べても薬物乱用の犯罪件数は多くないという結果も報告されています。

これらの実証は、これまで議論がありつつも進めなかった諸国の後押しになります。

大麻合法化は経済的にもメリット

大麻の合法化するメリットとして医療への活用、他の危険なドラッグ使用の抑制、犯罪組織への資金流入を阻止することなどが上げられています。国家が大麻を管理することで、これまでアンダーグラウンドに動いていた多くの経済的な利益を得られる可能性があります。

自分の意見を持ち自分を守る

日本では大麻が厳しく規制されているにも関わらず、他の薬物との違いや、大麻が私達にどのような影響を与えるかについて説明を受ける機会は非常に少ないです。法律で禁止されていることを守ることはもちろん大事ですが、法律で禁止されていないなら大丈夫なのでしょうか?

なぜ禁止されているのか?という点を、世界情勢やニュースから学んで自分で調べることも必要になってきます。そして、大麻だけでなく、アルコールやタバコなど、多くの薬物について自分の意見を持つことが、自分の身を守ることに繋がるのではないでしょうか。

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