「ヘンププロテイン」「CBDプロテイン」という名称で販売されているプロテインパウダーがあります。これらは麻に由来するタンパク質であることが想像つきますが、果たして麻から本当にタンパク質が取れるのでしょうか?また、トレーニングや健康に対する効果はどうでしょうか?

この記事では、ヘンププロテインまたはCBDプロテインなどと呼ばれる製品を購入する前に検討すべき全ての項目を紹介します。

本当に麻にタンパク質はある?

答えは…YES.

にわかには信じがたいかもしれませんが、麻には実際、タンパク質が豊富に含まれており、植物由来のタンパク質を得るための最高の原料の一つです。多くのタンパク質が含まれているのは主に麻の種子であり、葉や花ではありません。

ヘンププロテインはどのように作られる?

実際、市場で販売されている「ヘンププロテイン」の多くは麻の種子(麻の実)を原料としています。種子をすり潰して細かい粉末状にしたものをそのまま使用するか、他のプロテインパウダーと混合する場合もあります。最後に甘味料などを加えパッケージングしたら、「ヘンププロテイン」または「CBDプロテイン」として棚に並びます。

ヘンププロテインの味は?

ヘンププロテインパウダーの味は、ナッツのような風味と土のような香りがします。そのままだとかなりクセがるため、多くの場合は甘味料や香料などでフレーバー付けされます。もちろん、事前由来の素朴な味を楽しみたい方のためにプレーンフレーバーも探すことが可能です。

ヘンププロテインを選ぶ理由

健康のために、またトレーニング後の回復のためにプロテインを必要としている人は多いですが、通常の場合、彼らにとって最初の選択肢はホエイプロテインやソイプロテインではないでしょうか。あえて麻由来のプロテインを選ぶ理由はあるのでしょうか?

持続可能性のある生産方法

他の植物由来のタンパク質と比較して、ヘンププロテインは効率的な生産方法と言えます。麻植物は生命力が強くて育てやすく、成長も早く、土壌を傷つけることもありません。日本では麻の栽培は違法ですが、アメリカやその他の国では産業用ヘンプは合法であり、栽培も容易です。

完全な必須アミノ酸バランス

麻には、9つの必須アミノ酸がバランスよく含まれています。植物由来必須アミノ酸を全て含んでいるのは非常に稀であり、良質なタンパク源です。

麻に含まれるアミノ酸の量について、まだ決定的な研究ではありませんが、どうやら卵白や大豆に似たバランスで配合されているようです。ただし、リジンに限っては少ない可能性があります。

優秀なタンパク質量

ヘンププロテインの1サービング(30g)には約15gのタンパク質が含まれており、カロリーは僅か120kcal程度です。確かに、ホエイプロテインなどと比べるとそれほど多くはありませんが、植物由来としては優秀なタンパク源です。

比較として、豚バラ肉で15gのタンパク質を得るためには100g程度の肉を摂取する必要があり、この際のカロリーは約386kcalとされています。

出典:栄養成分早見表

ビーガンにも対応

近年、健康志向の高まりから、ベジタリアン的な食事をする方が増えているようです。また、道徳的、倫理的、環境上の理由から肉食を削減しようとするビーガン達も、世界には沢山います。理由はどうあれ、植物由来のタンパク質は今後間違いなく重量になるでしょう。

消化しやすい

一般的に、植物由来のタンパク質よりも動物性タンパク質の方が消化しやすいことが分かっています。しかし、麻由来のタンパク質は最大98%消化可能という研究報告があります。

これには、麻の種子に「エデスティン」や「アルブミン」などのタンパク質が豊富に含まれていることと関係していると考えられ、これらのタンパク質は体内で簡単に分解できます。ヘンプの他のもう一つの優秀なタンパク源であるレンズ豆と同様に、よく話題に上がります。

他にも優秀な栄養素が含まれます

ヘンプシードには、タンパク質以外にもその他の豊富な栄養素が含まれています。豊富な食物繊維、不飽和脂肪酸、さらにはマグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラルに加え、健康を維持するための各種抗酸化物質も含まれます。

ヘンププロテインの使用上の注意

全ての良いものにはもちろんマイナス面があり、ヘンププロテインにも注意点が存在します。

過度に摂取すると軽度の副作用

ヘンププロテインに豊富に含まれている食物繊維を大量に摂りすぎると、腸の膨満感や下痢を引き起こす可能性があります。ヘンププロテインを摂取する際は、一気にがぶ飲みしすぎないように注意してください。

微量のTHCが含まれる可能性

ヘンププロテインの原料であるヘンプシード(麻の種子)には、微量のTHCが含まれる場合があります。種子はTHCがほとんど含まれない部分のため、あなたの精神に影響を与える程の量はありません。しかし、職業上の理由などで検査を受ける必要がある場合は注意が必要です。

参考に、研究では、毎日300 gの外皮を除いた大麻の種子を食べても尿検査で引っかからないことが示唆されています。言い換えれば、麻の種子によって薬物検査で止められることはまずないかと思います。

ヘンププロテインを購入する方法

ヘンププロテインの粉末は、日本でもオンラインショップ、またはCBD製品取り扱い店舗にて購入できる場合があります。ヘンププロテインは、シェイクにしたりスムージーに追加したりと用途は様々です。一般的に通常のプロテインより高価ですが、高品質な植物由来のタンパク質を得たい方は試す価値のある製品と評価しています。

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