近年CBDは、痛みや炎症を抑え、ストレスや睡眠を改善するとして非常に人気の成分となりました。

CBD業界は世界中で成長しており、今後数年間で数十億ドルにもなるとも言われています。

最新の研究では、これまで「定かではない」とされてきた医療効果も少しづつ明らかになってきています。

しかし、まだCBDに疑問を抱く人も多いのが現実です。CBDとは、何なんでしょう?このテーマについて話すための簡単なガイドと、そのために必ず知っておきたい7つのCBD用語をご紹介します。

CBDとは?

CBDは、大麻やその他の麻植物特有に見られる2大成分のうちのひとつです。健康に対する様々なメリットが明らかになってきており、舌下オイルやベイプリキッド、化粧品などの製品に使用されています。

大麻で生成される2大成分のもう一つはTHCであり、THCは使用者に向精神作用を与える場合がありますが、CBDにはそれがありません。

人間の身体、特に脳内には、CBDを感知して受け入れる特定の受容体が存在しています。CBDは、「CB1」および「CB2」受容体と結合することで、身体の調節機能に影響を与えると見られています。

1,カンナビジオール

カンナビジオール(cannabidiol)は、CBDの正式名称です。CBDは、私達がストレスと不安を感じることを軽減し、炎症や痛みを鎮める作用を持つとされています。他にも「てんかん」などの疾患の治療に効果的であるなど、多くの健康上のメリットがあります。

カンナビジオール(CBD)は、日本において正式に認められた合法な成分です。大麻由来という経緯で、しばしば「グレーなもの」と混同されますが、WHO(世界保健機関)が安全性を認め、WADA(世界アンチ・ドーピング機関)の検査でも検出が認められている成分なので、ひとまず安心してください。

しかし、注意すべき点もあります。WHOはカンナビジオール単体での安全性を認めましたが、CBDが他の薬品や食品と、どのような相互作用を起こすのかについてはまだ情報が不足しています。実際に、米国のFDA(食品医薬品局)はCBDを食品に添加して販売することを正式に認めていません。

カンナビジオール(CBD)の効果や安全性に関する多くの研究結果はいずれも有望ですが、医薬品の代替としたり、食品に混ぜて幅広く用いるにはさらなる研究を必要としています。既にCBD製品は、ネット上や街の専門店で簡単に手に入りますが、それらが私達に与える正確な影響については、まだ研究途中であることを忘れないでください。

2,向精神作用

「向精神作用」とは、中枢神経に作用し精神機能(心の働き)に影響を及ぼす作用のことです。一般的に薬物に言われるようないわゆる「ハイになる」というようなものから、睡眠薬のような「眠くなる」ようなものまで様々です。

そして、大麻の2大成分のうち、CBD以外のもうひとつであるTHC(テトラヒドロカンナビノール)には、向精神作用があります。人によってまちまちですが、一般的にTHCは「ダウン=落ち着く」方向に作用し、アルコールに似たような酩酊感・倦忘感を引き起こす可能性があります。

THCは、一般的に言われているような「幻覚や妄想」というような作用は持たず、依存度はカフェインと同程度とされています。日本でよく見かける誇大された表現と、THCの持つ実際の向精神作用は異なる場合があります。

3,麻(大麻)

アサ、英名Cannabis)は、学名をカンナビス・サティバ (Cannabis sativa)といい、中央アジア原産とされるアサ科アサ属の一年草です。

実際には、麻の中にも「大麻,苧麻,亜麻,黄麻」など様々な種類がありますが、日本ではその中でも「大麻」を「麻」と呼ぶことが一般的になっています。

大麻は、日本では戦前まで多くの農家で栽培されてきました。それどころか、人が栽培してきた最も古い植物のひとつとして、1万年を超えるつきあいがあります。

日本でも食物、油、紙、布、建築材料などとして万能に活用されてきた大麻は、戦後、GHQの急進的な改革の一環として厳しい取り締まりを受けるようになりました。その影響で現在、日本の大麻に対する規制の厳しさは世界でもトップクラスです。一説には、GHQは麻と日本の神道との関係性に恐れたという逸話もあります。

大麻が合法な国は、ウルグアイ(2013~)、カナダ(2018~)、ルクセンブルク(2019~)の3ヶ国。そして、アメリカやインドの一部の州でも合法となっています。また、法律上は大麻を「禁止」としながらも罪に問われない、実質大麻が使用できる国も多く存在します。(オランダ・デンマーク・スペインなど)

一般的な嗜好用大麻とは別として、大麻は医療にも活用されています。「医療大麻」を合法としている国は非常に多く、医療大麻解禁の議論は、近年のトレンドとも言えるでしょう。

4,テルペン

テルペンは、植物に多く含まれている天然有機化合物の総称です。代表的な化学式は(C5H8)nで表され、炭化水素という形態です。代表的なテルペンとしては、樟脳(カンフル)やメントール・ビタミンA・などで、医薬品の原料や香料として用いられます。

テルペンは大麻にも豊富に含まれており、大麻特有の風味と香りは、リモネンやミルセンなどのテルペンによるものです。

大麻に含まれるテルペンやフラボノイドをCBDと同時に摂取することで、相乗効果が生まれるという話もありますが、これに関する十分な研究はまだありません。

マーケティングの主張として度々用いられることがあるため、テルペンとCBDの関係性に関する情報は、十分注意して受け取るべきです。

 5,バイオアベイラビリティ(生体利用率)

これは、摂取したCBDのうち、実際に血流に入り、私達に作用を及ぼすのに用いられる割合を示しています。

例えば蒸気摂取(ベイプ)の場合、肺から直接血管中にCBDを取り込めるためバイオアベイラビリティは高くなります。また、効果を表すのに必要な時間は数分です。

逆に、CBDを食品のように口から摂取し腸などから吸収する場合、多くのCBDは消化酵素などによって別の物質に置き換えられてしまい、バイオアベイラビリティの平均は低くなります。

舌下オイルも、蒸気摂取に次ぐ効率的な摂取方法と考えられています。吸収には約10分を要し、蒸気摂取よりも効果は穏やかに表れます。

6,マイクロドージング(微量投与)

マイクロドージングは、もともとは薬物を微量ずつ摂取することで、様々な健康的な恩恵を受けようという発想から広まった考え方です。

CBDにおけるマイクロドージングの考え方はこれとは異なり、微量のCBDを何度にも分割して摂取した方が、一度に一定量を摂取するより安定的で、体に吸収するのにより良いという考えから発展しました。

また、CBDが私達に与える作用には個人差が大きく、一貫した用量を示せないことからも、微量摂取は理にかなっています。

7,試験成績書 (COA) 

試験成績書 (COA:Certificate of Analysis) は、第三者機関による試験を受けていることを示します。THCや他の有害な物質(重金属や農薬、微生物など)が検出されていないこと(ND)を確認することができます。

逆に、一部には試験すら受けていない劣悪なCBD製品も存在しています。CBD製品を選ぶための指針として、試験成績書(分析証明書)を活用してください。

まとめ

個々まで、CBDについて話すために知っておきたい7つのCBD用語を紹介してきましたがでしたか?CBD産業は今後もさらなる成長が見込まれています。

より多くの研究が進むにつれて、CBDがどのように様々な病気を改善し助けるのかについてもっと知ることができるでしょう。

それまでは、やはり注意しながら慎重にCBDを用いることが最善です。疑問点や心配がある場合は医師または医療の専門家に相談してください。CBDは他の薬と相互作用する可能性が示されているため、他の薬を服用している人は特に注意するようにしてください。