CBD(カンナビジオール)は大麻に含まれる化合物の一つであり、健康に対する様々なメリットが知られています。
それが「大麻由来」であることから、しばしば「グレーなもの」として見られることもあるCBDですが、日本において完全に合法な成分です。
そんなCBD製品の輸入に関して、日本の健康、医療等を所管する厚生労働省はどう見ているのでしょうか。
CBDとは
CBDには、「抗てんかん、抗うつ、抗ストレス、睡眠の改善」など、様々なメリットが報告されています。
ストレスの多い現代において、ストレス性の疾患や不眠症などのトラブルを抱えている方が、CBDという自然的な療法を選択するようになりました。
CBD製品の輸入に関する厚生労働省の見方
現在、CBD製品の輸入の条件に関して、厚生労働省は正確な基準を示していません。2013年頃に初めてCBDが国内に輸入されるようにな
2013年以降
これまでCBDの国内への輸入は前例がなく、輸入業者らと厚生労働省の担当者間で協議が行われました。
そして、2013年頃に厚生労働省が規定した、CBD製品輸入の条件は以下の通りでした。
製品の原料が産業大麻であることや、その茎や種しか原料に使われていないこと、THCやCBDの濃度や他の添加物などを示す成分分析表,製造工程表など、厚労省に求められた書類多数をメーカーから取り寄せて提出すること。
実際の輸入手続きにおいては、税関で製品の分析検査を受け、さらに検疫所に関連書類を提出し、食品として販売する許可を得る必要があります。
CBD製品中に含まれる最大THC濃度については、正確な言及はありませんでしたが、産業大麻の世界基準である「0.3%未満」という値が適用されていたものと見られます。
2015年以降
2013年以降、上記のような条件でCBD製品の輸入が行われてきましたが、2015年頃から、条件を満たしているにも関わらず輸入が認められず、税関で止められるCBD輸入業者が続出しました。
こ推測によると、個人輸入したCBD製品からTHCが検出されたとして逮捕される事件が2015年に発生しており、その後から規制が厳しくなったのではないかと考えられています。
2017年
全く同じ製品・証明書を提出していても、ある者は税関を通過し、あるものは税関で止められるという、なんとも理不尽な事態が発生しています。
業界では、輸入する「人」によって許可・不許可が判断されているのでは?もしくは、一度に輸入する量によって判断しているのではとの憶測もありました。
そして、輸入業者達は厚生労働省に対し、「CBD製品の輸入に際し、許可・不許可を判断する基準、THC濃度などを示す文書の開示」を求めました。
この審査請求に対し、審査会はそれを完全に棄却。開示請求を拒否し、判断基準を定めた文書があるのかないのかについても言及しませんでした。
2018年以降
開示請求が完全に棄却された後、輸入業者らは改めてCBD製品の輸入許可基準を示すよう求めました。 しかし、それすらも棄却されています。理由としては、以下のとおりです。(原文)
『輸入許可基準を示した文書の存否を明らかにすると,犯罪の予防,鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあり,また,取締りに関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれがある』
信頼できるソース:CBD製品の輸入に際し,許可・不許可を判断する基準,THC濃度などを示す文書の不開示決定(存否応答拒否)に関する件
2020年現在
2020年現在でも、厚労省は正確な「CBD製品の輸入に際し、許可・不許可を判断する基準」を開示していません。
しかし、輸入商品額が30万円以下であれば、成分表・製造工程(写真・文章など詳しく)・誓約書等の文書を提出することで税関を通過できる可能性があります。
金額が30万円以上の場合には、税関によって成分検査が行われるようになったという情報もあります。しかしながら、現在日本でCBD製品に含まれるTHC量を正確に分析することは難しく、検査には膨大なコストと時間がかかるものと思われます。
税関の検査がどれくらいの精度で機能しているかは定かではありません。しかし、税関を通ったのであれば、それは国内で違法ではない、というお墨付きをもらったようなものであり、これまでよりかは進歩したと見ていいのではないでしょうか。
結論:CBD製品の輸入は”ガチャ”である
近年のCBDブームの到来に際し、未だに税関では膨大な量のCBD製品がストップして保管されているといいます。
検査基準もあやふやで、通過するかしないかは、さながらオンラインゲームの「ガチャ」のようなものです。
現在日本で製品を販売している業者はどれも、かなり大変なステップを踏んで輸入・販売を行っているものと見られます。
税関で止まった製品を輸入元へ返送/返金を求めたが、「違法な製品を国外へ送ることになるので厚生労働省へ問い合わせて下さい」と通告されたケースもあるとのことです。
これからCBD製品の輸入・販売を考えている場合は、ある程度のリスクを理解しておく必要があるでしょう。
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