CBDオイルやその他のCBD製品には、安いものでは2千円、高いものでは2万円超まで、実に幅広い価格帯の商品が存在します。これらは一見同じように見えますが、得られる効果の大きさには天と地の開きがあります。

現在ネットでCBD製品を販売している多くの出品者は、「安いものをいかに高く販売するか」という思考が働くのか、本当は効果の薄いCBDオイルを「高濃度」と偽って販売したり、オイル中に入っているCBDの量を、あえて消費者にわかりにいように表示しています。

この記事では、安い(安価な)CBDオイルを購入する際の注意点や、CBD製品購入時に確認するべき項目についてお伝えします。

未熟な日本のCBD市場

CBD製品が日本で販売されるようになったのはここ数年の出来事です。近年、急速に認知を広めているカンナビジオール(CBD)ですが、日本における市場は未だに未熟です。その背景には、以下のことが考えられます。

麻やCBDに対する法規制があやふやな日本

麻やCBDに対する法規制があやふやな日本では、大手の企業がCBD製品の販売に手を出せない状況にあります。世界的に見てCBDは、「様々な健康に対して有用な安全な成分」と認められています。しかし日本では、未だにグレーな存在(合法なドラッグ的な存在)として扱われています。これは、海外の知識人から見ると非常に気持ち悪い状況であり、時代遅れに映ります。

日本国内でCBDを製造することができない

CBDは、日本でも法律で認められている合法な成分です。しかしながら、その原料となる麻(大麻)の栽培や所持、使用当は当然取り締まり対象です。国内でCBDの原料である麻の栽培はおろか所持もできないのですから、日本国内でCBDを製造することは不可能です。つまり国産のCBDは存在しません。しないはずなのに…「国産」と書かれたCBD製品もありますね…あれれ。この先はご想像にお任せします。

監査機関がなくCBD製品開発の土壌がない

この他にも、日本でCBD製品を開発したり販売したりする際に必要な製品検査が、国内で実施できないという矛盾が存在しています。(違法成分の有無を検出しようにも、その検体自体が違法であり、扱える検査機関が国内に存在しないため。)

これらの問題は明るみに出ているほんの一部分であり、日本のCBD市場が成熟するための課題は山積みです。

ネット市場では悪徳CBD出品者ばかり

本当にCBDの良さを伝えたい・CBDの良さを広めたいと活動している多くの人々の努力があります。その裏で、競争力の弱いCBD市場を良いことに、ネット上では悪徳と言わざるを得ない出品者が目立つのが現状です。

CBDの知識のある人がこれらの悪徳出品者の商品を見ると、明らかに説明がおかしく、誤解を生むような不適切な表現をしていることがわかります。しかし、普通の消費者はその不親切な説明に気づけません。

多くの消費者は、CBDが持つ「抗炎症作用、抗ストレス、不眠症の緩和」など、健康に対する何かしらのメリットを求めて、すがるような思いでCBD製品の購入を検討しています。にも関わらず、一部の販売者が不適切な方法でCBD製品を販売しているせいで、これらの人々が効果を実感できず、CBDの価値を貶めています。CBDの正しい価値を伝え、広めるのとは真逆の行動であり、当然ながら日本のカンナビス業界における大きな問題です。

ネット上の情報も鵜呑みにしない

CBDにおけるネット上の情報や口コミも鵜呑みにしてはいけません。例えば、「CBDオイル 効果」などと検索して出てくるサイトのいくつかには、不確かな情報間違っている情報が書かれています。

また、ネットショップでの商品レビューに関しても「さくら」という問題があります。出品者は、購入者に対して無料のプレセント、またはディスカウントをし、その対価として購入者からの五つ星の評価を集めています。(CBD製品に限らず横行しています)このような、バイアスのかかった情報があることを踏まえ、上手に情報を活用していってください。

安いCBDオイルを購入する際に気をつけるべき5つのポイント

価なCBD製品の多くには、安いなりの何かしらの理由があります。もしあなたが安価なCBD製品に対して、本当に大丈夫?と不安になっている場合は、以下のポイントをチェックしてみてください。これに気をつければ損をしない!というものをまとめたので、CBD製品を購入する前の参考にしていただければと思います。

1,CBDの含有量は何ミリグラム?

CBD製品を購入するにあたって検討するべき最大のポイントが、CBDの含有量です。このCBDオイルに入っているCBDはどれくらいなのか? 一般的に、製品の中に含まれるCBDの量はミリグラム(mg)で表示されます。例えば、「CBD 500mg配合」,「CBD 2000mg!」など。また、一部のベイプリキッドではCBDの量を割合(%)で示しているものもあります。その場合は、その製品の正味量(mg)×割合(60%の場合=0.6など)で実際に含まれているCBDの量が求められます。

CBDは、原料自体が比較的高価なため、基本的には製品中に入っているCBDの量に比例して価格も変動する傾向にあります。

本当にその製品がお得なのか調べる方法としておすすめな方法があります。それが、CBD1mgあたりの価格を計算する方法です。例えば、CBD含有量が500mgのCBDオイルが9,000円だった場合のCBD1mgあたりの価格は、9,000÷500=18円ですよね。

以前、10社以上のCBDオイルの1mgあたりの価格を調べたことがありました。その結果によると、9円/mg から 42円/mgまで、メーカーによって実に5倍近い開きがありました。基本的に、CBD濃度が高い商品ほどCBD1mgあたりの価格は安く、CBD濃度が低い(薄い)商品ほど割高であるという傾向がありました。

2,何ミリグラムのCBDがあれば効果を実感できるか?

CBD濃度が高い製品でも、正しい方法で摂取をしなければ生体利用効率が下がり、効果を実感できません。逆に、CBD濃度の薄いCBDオイルであっても、正しい摂取法で1日に何度も摂取すればCBDの効果を実感することができるということです。

また、CBDの効果の出方には個人差が大きいです。微量のCBDでも効果を実感する人もいれば、多量のCBDでもあまり効果が現れない人もいるのです。この点も把握した上でCBDの摂取量を決める必要があります。

まず、正しい摂取方法と適切な摂取量を認識すること。次に、あなたはCBDに対してどれくらい効果が出やすい体質なのか。この2点を確認する必要があります。

個人による効果の出方や耐性を調べるためには、CBD摂取量を少ない量からだんだん増やしていき、効果を実感できるラインを探していきましょう。

CBDの摂取方法については、オイルをそのまま飲み込む場合(経口摂取)と、舌下に数分留めて口内の毛細血管から吸収する方法、気化させて肺の毛細血管から取り込む方法などがあります。

それぞれの方法で吸収率(生体利用効率)が大きく異なるので、それぞれの方法でどれだけのCBDが体内に吸収されて効果を発揮するのかについてはも抑えておきましょう。

3,THCは本当に入っていませんか?

現在日本で販売されている一部のCBD製品は、違法な成分である「テトラヒドカンナビノール(THC)」が含まれている可能性があることはご存知でしょうか。

カンナビジオール(CBD)は、とても簡単に言えば、大麻の中に含まれる成分を、薬物的な反応を示す成分(THC)と、そうでない成分(CBD)に分離させたものです。そのCBDを、オイルに溶かしてフレーバーを付けたのがCBDオイルやCBDリキッドというわけです。(とても大まかに説明しました)

もともとは同じ麻に含まれるTHCとCBD。これらを分離する方法はいくつかありますが、その方法や機械の精度によっては、抽出したCBDの中にも微量のTHCが含まれる場合があります。

最新技術を用いれば 99.99%などの高純度のCBDを抽出することが可能ですが、一部の海外製品のCBDオイルなどには0.1~0.3%程度のTHCが含まれていると言われています。

日本のTHCに関する基準は、アメリカなどの世界標準よりも厳しいです。米国ではCBD製品中、0.3%未満のTHCであれば「THC FREE」として販売することが認められています。

しかし、日本では0.1%以上のTHCが検出された時点で規制の対象です。つまり、海外で「THCは入ってないよ」として売られているCBD製品を日本に輸入したら、国内では違法だった、ということが起こり得るのです。

実際に、日本で販売されているいくつかのブランドのCBD製品を米国の調査機関で調査にかけたところ、日本の基準値以上のTHCが検出されたという報告もあります。/出典

規制が厳しくマーケットも成熟していない日本向けにわざわざCBD製品を製造しているメーカーは少なく、日本で販売されているCBDオイルのほとんどは海外向け製品を国内に輸入しているものに過ぎません。ラベルやパッケージは替えられているかもしれませんが。

本来は、THCが検出されず、日本の基準値以下である証明をして販売しなければいけませんが、多くの出品者は、ろくな検査報告書も表示せず、CBD製品を販売しています。

きちんと「THCがゼロであること」を正しく表示し、検査報告書のリンクなどを公表しているメーカーのみから購入したいところです。

4,「フルスペクトラム」と書かれた商品は嘘、または違法です

最近ちらほら見かける「フルスペクトラム」CBD。通常のCBDより効果が出やすいなどとして販売されていますが、これは、大体が大嘘。もしくは本当にフルスペクトラムならば、日本において違法な成分が含まれている可能性が高いです。

そもそもフルスペクトラムとは、麻に含まれる成分からCBDのみを抽出する(通常のCBD )ではなく、違法成分(THC等)を含む、その他のカンナビノイド(麻に含まれる特有の成分)をそのまま配合しているCBDオイルという意味です。

「フルスペクトラム」として販売しているCBDオイルの商品説明には、疑わしい「フルスペクトラムの製法」が紹介されていますよね。

なぜ「フルスペクトラム」と表示するのか?という疑問についてですが、研究によると、『CBD単体よりもTHCやその他のカンナビノイド、テルペン類と一緒にCBDを摂取した方が相乗効果が生まれ、より高い治療効果を表す』ことが示されれており、それを言いたいのでしょうが。

しかし、日本ではたとえ医療目的であってもTHCは違法です。フルスペクトラムということが本当であれば、その中には一定量のTHCが含まれているということであり、つまり…。

「この先は言わなくてもわかりますね。」

5,製造者はどこ?怪しいメーカーの商品は避ける

しっかりとした品質のCBDオイルを比較的簡単に見分けるポイントが、商品の「メーカー・ブランド」で見分ける方法です。日本で販売されているCBD製品は、海外で製造されて日本に輸入されます。しっかりとしたブランドの商品であれば、メーカー名を検索すれば海外の記事が出てきます。一方で無名のブランドは検索しても紹介記事などは出てきません。

日本の販売者が「アメリカNo1のCBDブランド」などと謳っていていても、実際は真っ赤なウソだった、ということもあります。販売者が公表している情報を鵜呑みにせず、自分の目で信頼できるメーカーを選べるようになりましょう。

海外で人気のCBDメーカーや有名なブランドは今後記事にまとめていく予定です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。CBDオイルを選ぶ際、特に安いCBDオイルを購入する際には、CBDが実際何ミリグラム入っているのかを必ず認識することが大切だとお伝えしました。

また、個人によって同じ量のCBDでも効果の体感が異なること、信頼できる販売者以外から購入すると、THCが日本の規定量入っている場合があるために規制対象となる可能性があること、「フルスペクトラム」として販売されている商品は嘘、もしくは違法である可能性が高いこと。

最後に、しっかりしたメーカーを見極めることが大切であるとお伝えしました。現状では、ネット上で信頼できるCBD製品を購入するのにはある程度のCBDに対する知識が必要になります。

もしあなたが、この記事を見ても「選ぶのが難しい!」と感じる場合は、CBD製品を扱う実店舗(専門店)で購入してみてはいかがでしょうか。店員さんからCBDに関する情報や説明を聞くことができるので、CBD初心者の方にはおすすめです。別記事で、東京都内のCBD取り扱いショップをまとめましたので、合わせて参考にしていただければ幸いです。